糸魚川市 自然

*糸魚川市は東西に250kmある新潟県でもっとも西にある町です
西は富山県、南は長野県に接しています
新潟県は長いので上越市を基点の上越、長岡市を基点の中越、新潟市を基点の下越にわけています
上越は北信の長野県、富山県と接し、中越は北関東の群馬県、栃木県と接している、下越は東北の山形県、福島県と
接していて、それぞれの環境、文化や言語にはかなりの違いが見られる。
糸魚川は西であると共に、南でもあるので新潟県では北陸地方の天候で、県内ではもっとも温かな地域である


*本州のほぼ中央、日本海沿い 北緯(緯度)では能登七尾、尾瀬、白河、いわき、サンフランシスコとほぼ一緒
東経(経度)では信州大町、駒ヶ根、静岡県磐田とほぼ同じ
長野県小谷村、白馬村 富山県朝日町と県境を接している ほかに新潟県妙高市と新潟県上越市と境界を接している

*糸魚川で一番低地は日本海沿い0m、一番高いのは新潟県でも最高地点の小蓮華山2776m(因みに白馬岳を蓮華山言う)
糸魚川市には火打山2462m、焼山2400m、雪倉岳、朝日岳など名のある2000m級が13座ある

*糸魚川市には国立公園が2つ 中部山岳国立公園 妙高戸隠連山国立公園 そして糸魚川は日本初の世界ジオパーに認定されました

*糸魚川は日本海の海岸線が約40kmあり、市振、親不知、姫川(糸魚川)、浦本、能生、筒石の各漁港がある
能生漁港は新潟県4カ所の基幹漁港でもある
代表的な水揚げ魚は、春からのメバル、甘エビ、鯛、ベニズワイガニ、 夏のさざえ、車エビ、牡丹エビ 舌平目 冬のヒラメ、あんこう、タラ、
メギス、ずわいがに、赤カレイ、など

*糸魚川の山岳部は活火山焼山など火山帯に有り温泉が多い  蓮華温泉、糸魚川温泉、雨飾り温泉、根知温泉郷、平岩温泉、笹倉温泉、柵口温泉などがある

*糸魚川の山岳帯は@北アルプスの北端 A頸城山塊 B妙高.火打山系に分けられる
@は後立山と呼ばれる地帯で2932mの白馬岳から北に一気に日本海親不知まで下り降りる中部山岳国立公園の2000m級の連峰
富山県、新潟県の県境が大部分で「栂海新道」という地元山岳愛好家が苦労して開いた登山道である
Aは糸魚川市の中にある1400m〜1800m級の山塊で美しい海谷渓谷を取り巻く10座ほどの山群で形成される、山菜の豊富な地帯
Bは新潟、長野の県境を東西に延びる2000m級の縦走路で西端の雨飾山から始まり、金山、焼山、最高峰火打山を経て妙高山に続く国立公園地域である、高山植物が美しい山岳帯で下部には温泉が多くある

*川は長野県大町市を分水嶺として北に下って糸魚川に流れる「姫川」が一番長く(約60km)、支流には大所川、小滝川、根知川、虫川などがある
大所川を上り詰めたところに白馬岳登山口の拠点「蓮華温泉」がある、途中は山菜やキノコの宝庫で、秋の紅葉も見事である
蓮華温泉の上部には小さな露天風呂がいくつかあるが、建物は一切なく本物の露天風呂である、噴煙を上げている場所も近くにある

小滝川は日本では青海川とここだけ巨大な「ひすい原石」が見られる原産地である、天然記念物に指定されているので、例え小さな石でも採取してはいけない。 ここから転がり出たひすいの石は段々小さくなって糸魚川の海岸に出ていく、海岸や姫川河口でのひすいの採取はこかされているので、ひすい拾いのファンがやってくる
また小滝川から伸びている明星山南壁は数百メートルの一枚岩でクライマーが挑戦する、このあたりは盆栽の「小滝真ぱく」の産地でも有り、急峻な崖で採取中に落下した人も少なくないが、愛好家には貴重な樹木である。

根知川は豊かな根知地区をゆったりと流れる川で、根知谷の豊作を支えている。 地元の酒蔵は酒米を自家生産しておいしい酒造りに取り組んでいる、この村は長野県に通じる「塩の道」の中継点として重要な位置を占めている
またフォッサマグナ(大地溝帯)の数億年差の2つの地層が露出しているのを見ることが出来る唯一の場所でもある
この村で長く伝わる「おててこ舞」は2日間昼夜にわたって催される郷土芸能で貴重で面白い

虫川は小さな川だが、上流には「不動滝」があり、そこから流れる清流にはかってカワセミが遊んでいた、またこの川ではメノウが採取され、集落のメノウ工場で加工が行われていたが、今はない



日本を東西に分かつ糸魚川

糸魚川はいくつかの部分で日本を東西に分けている重要な土地である

JR新幹線
 北陸新幹線は黒部宇奈月温泉駅(富山県)ー糸魚川駅(新潟県)ー上越妙高駅(新潟県)−飯山駅(長野県)−長野駅(長野県)と並んでいるが、糸魚川までが西日本、上越からは東日本となる
ただし快速型の「かがやき」は富山駅(西日本)から長野駅(東日本)まで止まらないので西日本の運転士が長野まで運転する

JR大糸線 松本(長野)から糸魚川までの大糸線は長野県の南小谷駅まで東日本で、電化されていて特急列車が中央線に乗り入れているが、長野県の中土駅から糸魚川までは西日本で県境をまたぎ、電化されていないので1〜2両編成のジーゼルワンマンカーが走っている

直流.交流  糸魚川市の中央部で50ヘルツと60ヘルツが切り替わる、かっては北陸線でここに来ると切り替えのため車内の電気が数秒間消えた、今はシステム変更で消えることはなくなった。

言葉 糸魚川を境にして富山方面は関西系アクセント 糸魚川から東は関東系アクセントである
糸魚川市内でも姫川を境にして青海地区から西は関西系アクセント(尻上がり)、糸魚川地区は関東系アクセント

地質 フォッサマグナの真上にある糸魚川は3億年前の地層と2500万年前の地層の分かれ目にある、よって植物分布や鉱物の分布が異なるらしい、かっては動物分布も異なっていたとも言うが今はそうでもない

食文化 糸魚川から西の富山県はぶり文化、糸魚川から新潟方面は鮭文化である、富山は年取り魚には塩ぶり、糸魚川や新潟県は新巻き鮭

海底地層 糸魚川市の、ほぼ中央の早川という川から東の海底は浅くてゆるやか、能生方面から新潟市、東北地方、佐渡島、同じプレートであり岩場が多い
しかし早川から西側は小石や砂地が多くて富山湾に向かって急激に深海へ落ち込んでいく
そのため糸魚川で3km沖合なら、能生では5〜6km行かないと同じ深さにならない



糸魚川の歴史
長者原遺跡、寺地遺跡など縄文時代ころの遺跡が数多く発見されている
松本方面で採れる黒曜石の矢じりも発見されて、当時から信州との交わりがあったことがうかがえる
また糸魚川産のひすいの勾玉が、青森県から九州まで各地で発見されている

神話では糸魚川地方の「ぬながわひめ」という絶世の美女が「ヌナガワ族」を従えていた
それを聞いた出雲のオオクニヌシノミコトが妻にしたいと遙々やってきて毎晩口説いた末に何人目かの妻にすることができた
そして2人の子供が生まれた、やがてオオクニヌシノミコトは九州から攻めてきた神に出雲国を譲ったが、次男のタケミナカタは抵抗して戦った
しかし信州の諏訪湖において敗れ、諏訪湖の守護神となることで許された、母のヌナガワヒメも諏訪湖へ行った
諏訪神社下社秋の宮にヌナガワ神社が祀られて居る

中世は越後の上杉謙信がこの地も治めていた。 一族の山本寺氏が糸魚川の不動山城で勢力を張った
また信州上田の豪族、村上義清が武田信玄に敗れて、謙信を頼ったので勇将の村上氏に根知城を与えた
跡継ぎの上杉景勝の時、武田信玄の息子、武田勝頼と同盟を結んだ(助けを求めた)ので糸魚川の根知城は武田氏に譲ったので、武田の重臣が城主となって入った

豊臣秀吉が天下統一すると秀吉の重臣、堀氏が越後の主として糸魚川も支配下になった(上杉景勝は会津へ国替えになった)
堀氏のもとで糸魚川は塩の精製が盛んになって昭和の初めころまで続いていたという
また北前船などの交易も盛んな時代、糸魚川でも漁業や商業が繁栄した、特に長野県松本方面へ塩や魚を販売に歩荷が活躍した

糸魚川は交通機関が今のように便利でない時代は、東西南北各50km以内に糸魚川より大きな町が無く、山に囲まれ前面は海という孤立した地形のため、独自の文化や経済が発達して豊かな町であった
しかし高速道の開通、道路の改良などで便利になると市民はより大きな町で買い物をするようになり、やがて結婚式までも遠くの中核都市で行われるようになり、この町の商業は下降気味となった
そして平成29年12月には市街地で大火140数軒が焼けて商店街の半分が失われた。
糸魚川市の人口、平成31年正月時点、約34900人、毎年800名前後減少している。最近では1ヶ月に新生児誕生数名で、死亡は60数名という報告があった

糸魚川の経済
大型店の進出で小売店は瀕死の状況となっているが、飲食店業界は繁栄もしないが入れ替わり立ち替わりで経営者が代わりながらも店数を維持している
糸魚川経済を支えているのは、デンカと明星セメントである、糸魚川の西にある黒姫山から明星山の一帯は石灰岩の山でセメントの原料となる石灰石が豊富な埋蔵量であり、近年はセメントだけでなく化学製品、化学薬品、化学繊維などの製品製造もさかんに行われている
これらの工場の原料調達、製品出荷に関連して運輸、港湾、下請け企業、メンテナンス企業、電気会社、生コン会社、トラックや特殊車の販売、土木建設業など関連会社も潤う、また社員の購買によって商業や飲食店も恩恵を受けている
糸魚川はまさにセメント城下町である。

糸魚川の観光
世界ジオパークや多種多様な自然、温泉、山岳、高原、海、魚、米、酒という豊富な資源が有りながら、いまいち観光行政はちぐはぐである
ジオ丼、ブラック焼きそば、南蛮エビ、メギス、アンコウなどいろいろなアイデアで食の挑戦も続けているが単発的な盛りで終わっている。
ただ若い年代層の動きが昔より活発になり行政も積極的に支援しているのでこれからが楽しみでもある
これからは町を挙げての活動、底辺を救い上げる広い気持ちが必要だと思う、鮮魚のプロが燃えていないのも懸念される
海外からの観光客が立ち寄っての食事も次第に増えている、外国人がローカル観光に関心を持ってきたからであろう、来てみてがっかり」とならないように業者は気合いを入れて対処する必要がある。

糸魚川でできること
温泉三昧 ひすい拾い 海釣り 渓流釣り 海水浴  バイク山岳ロードレース 山岳マラソン  スキー 山菜採り キャンプ
登山 ハイキング 地域の伝統芸能鑑賞  伝統の祭りや行事観覧  自然の中をドライブ  地酒5蔵の飲み比べ  ゴルフ
おいしい魚料理  山菜やキノコイベント  塩の道ツアー参加  糸魚川を起点とした能登、信州、妙高高原、アルペンルートなどのドライブ


新潟県内でも特殊な糸魚川
糸魚川はそのアクセントや方言でも、他の新潟県内とはかな異なっています、長い間孤立していた地域でありながら、富山県や長野県との
古くからの交流があったからと思われます、しかし富山や長野の言葉とも異なっています。まさに糸魚川弁です

糸魚川は県庁がある新潟市から180kmも離れています。 富山県庁80km、長野県庁100km、石川県庁金沢120kmと比べてもずっと遠い、そのために陳情や県の会議などでは苦労しています。
長野県に属すれば良いという声は時々聞かれます


新潟市への不便さは交通でも顕著です、車の場合は北陸道があるので2時間で行きますが(富山市は50分)
電車の場合はたいへんです、一両編成の2時間一本の三セクときめき鉄道で直江津まで行き、そこから妙高から来る三セク+信越線に乗り換えて新潟まで行きますが、待ち時間もあって3時間以上かかります
中には上越妙高まで北陸新幹線で行って始発の三セクに乗り換えて新潟まで行く人もいます。

東京まで新幹線で2時間少々で行くのに、県庁まで3時間以上かかる地域は日本ではあまりないでしょう。